血液型性格研究入門

血液型性格研究入門 : 血液型と性格は関係ないと言えるか
白佐俊憲, 井口拓自共著,1993 ,川島書店
ISBN 4761005076

現在では,自己紹介のときに「A型の~座です」とする若い人が多い。これでその人となりをわかれということなのだろう。このように多くの人に認知された非科学的信念のひとつが血液型性格判断である。
本書は,前提として否定的な立場からではなく,科学的に取り扱ったデータを示して,自らが判断して欲しいという方針で書かれているようだ。多様な観点からの統計的研究・実験的研究を紹介している。
それらを見ると,科学的方法で得られた組織的なデータには血液型と性格に関係があるといえる根拠となるものは,ほぼない。個別の関連性があるとするものもあるのだが,複数のそれらは互いに矛盾していて全体としてみて根拠とはならないだろう。これだけのデータがあっても一般にはむしろまったく知られていないという点も驚きである。
私は血液型性格判断の真偽よりも気になるのは,なにごとであれ盲目的に信じ込んでしまうことの危険性である。信じ込んだ人たちはどれほどの根拠があってそれを信じたのだろうか?職業柄,そちらのほうがずっと興味深い。以前紹介した書籍にもあるように,人の意図的でない判断はそれほど合理的でないのである。

[内容や目次]
[PR]
by tsu2k | 2005-03-07 15:10 | 心理学本
<< 「ケータイ・ネット人間」の精神分析 あなたの身近な「困った人たち」... >>