錯覚の心理学

錯覚の心理学
椎名健 , 1995 , 講談社 (現代新書1233)
ISBN 4061492330

そこに無いはずのものが見える,逆に理屈では分かっているのにどうしてもそうは見えない。まるでTVの好むうさん臭い現象のようである。よく勘違いやうっかりミスを「それは錯覚である」という。この場合,ありもしないものを誤って思いこんでいるという誤認の意味で錯覚を捉えている。さらには人間の感覚はいい加減なものなのだと思いこんでいる人も多いだろう。

しかしながら実際の錯覚と呼ばれる現象は決して気の迷いや誤ったネガティブな感覚などではなく,ポジティブな合理性のある内的システムが引き起こしている。多くの場合,その副作用的側面が強調されるために上のような思いこみも起きている。一般の人にみられる,この「錯覚現象をネガティブなものだとすること」自体がまさに錯覚なのである。

本書は少し古いものだが,代表的な錯覚現象およびその仕組みの紹介や珍しい錯視の話なども含んでいて,見て・読んで楽しい。講義でも錯覚実験を組み込んでいるが,レポートの際には,本書を参考書として推奨している。学習向けなので,ちょっと理屈っぽいかもしれない。

[内容や目次]
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by tsu2k | 2005-03-31 12:34 | 心理学本
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